特集 外来で行う消化器がん薬物療法のコツ ― 専門医からのアドバイス
3.外来で施行可能な最新レジメンと最適な患者管理(2)プラチナ系薬物使用レジメン
稲垣 千晶
1
,
川上 尚人
1
1近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門
キーワード:
外来化学療法
,
プラチナ系薬物療法
,
切除不能進行・再発消化器がん
Keyword:
外来化学療法
,
プラチナ系薬物療法
,
切除不能進行・再発消化器がん
pp.1451-1456
発行日 2022年9月20日
Published Date 2022/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002391
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消化器がん薬物療法においておもに用いられるプラチナ系薬剤は,シスプラチン(CDDP)とオキサリプラチン(L-OHP)である.胆道がんにおける一次治療として低用量CDDPとゲムシタビン併用が長年使われている.一方,大腸がんでは当初からL-OHPが治療開発に使用され,神経障害の管理のため“stop-and-go”といわれる治療戦略が推奨されている.胃がんにおいては,高用量CDDPの代替として近年L-OHPが頻用されている.最近保険適用となった胃がんの一次治療におけるニボルマブと化学療法併用についても,用いるべき化学療法はL-OHPベースのレジメンとされた.膵がんではL-OHPを含む(modified) FOLFIRINOX療法の維持治療の選択にBRCA1/2の遺伝子異常を検索することが重要で,これらの遺伝子と治療効果の関連も示唆されている.本稿では,近年外来でよく使われるプラチナ系薬剤を含むレジメンについて,最新の話題や臨床試験の結果を交え解説した.
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