特集 内視鏡検査で大腸癌の見落としゼロを目指して
3.見落としゼロに有用か(2)大腸CT検査の立ち位置
永田 浩一
1,2,3
,
木島 茂喜
3
,
馬嶋 健一郎
4
,
五十畑 則之
5
,
松岡 正樹
6
,
大平 弘正
1
1福島県立医科大学消化器内科学講座
2永田内科・消化器科医院
3自治医科大学放射線科
4亀田メディカルセンター健康管理科
5福島県立医科大学会津医療センター大腸肛門外科
6まつおかクリニック
キーワード:
大腸CT検査
,
画像診断後大腸癌
,
内視鏡検査後大腸癌
,
中間期癌
,
代替検査法
Keyword:
大腸CT検査
,
画像診断後大腸癌
,
内視鏡検査後大腸癌
,
中間期癌
,
代替検査法
pp.683-688
発行日 2022年5月20日
Published Date 2022/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002214
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大腸CT検査は大腸腫瘍性病変に対する高い精度を有していることから,大腸内視鏡検査の代替法として推奨されている.全大腸内視鏡検査の実施が難しい場合や全大腸の観察ができなかった場合に,大腸CT検査を代替法として柔軟に活用することは大腸癌の見落としを防ぐためにできる現実的で有用な対策である.ただし,大腸CT検査で陰性と診断された後,次回予定検査前に見つかる大腸癌として画像診断後大腸癌(post-imaging colorectal cancer;PICRC)の存在に注意する必要がある.大腸CT検査で陰性と診断され3年後にPICRCを認めた発生率は4.42%で,PICRCのうち61%は読影診断時のエラーによる見逃しである.PICRCの発生を低減するためには,① 読影医はピットフォール病変に対する十分な知識を身につけ十分な読影・診断のトレーニングを行うこと,② 診療放射線技師は標準的検査法を講習やトレーニングを通して身につけることが求められている.
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