Japanese
English
連載 細胞を用いた再生医療の現状と今後の展望――臨床への展開・Vol.5
肝硬変に対する間葉系幹細胞を用いた肝再生治療
-――基礎研究から臨床への展開
Mesenchymal stem cell therapy for cirrhosis
――From basic research to clinical trials
渡邉 雄介
1
,
土屋 淳紀
1
,
寺井 崇二
1
Yusuke WATANABE
1
,
Atsunori TSUCHIYA
1
,
Shuji TERAI
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野
キーワード:
間葉系幹細胞
,
肝硬変症
,
マクロファージ
Keyword:
間葉系幹細胞
,
肝硬変症
,
マクロファージ
pp.1147-1152
発行日 2024年12月28日
Published Date 2024/12/28
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291121147
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
SUMMARY
肝硬変は,肝不全のリスク,肝細胞癌,消化管静脈瘤の発生などにより致死的となるが,現時点で有効とされる治療は肝移植のみである.しかし,肝移植の機会が少ない現状から,肝硬変に対するアンメットメディカルニーズは高く,肝移植にとってかわる治療方法を開発することが期待されている.新規治療法には間葉系幹細胞を用いた肝再生治療が該当し,研究開発が開始された.間葉系幹細胞は液性因子を介してマクロファージなどの細胞を惹起する指揮細胞として働くことが基礎研究から明らかになっており,さらに抗原性が低いという特徴から他家投与を可能にするため,さまざまな疾患への治療応用が検討された.本稿では,筆者らが実施した間葉系幹細胞を用いた代償性肝硬変患者に対する医師主導治験を紹介し,その治療意義や将来性について報告する.
Copyright © 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.