特集 門脈圧亢進症に対する診療
4.門脈圧亢進症をきたす特殊な疾患に対する診療(3)バッド・キアリ症候群(BCS)
赤星 朋比古
1,2
,
長尾 吉泰
2
,
橋爪 誠
3
1九州大学大学院先端医療医学講座
2九州大学消化器総合外科
3北九州古賀病院
キーワード:
バッド・キアリ症候群
,
門脈血行異常症
,
門脈圧亢進症
Keyword:
バッド・キアリ症候群
,
門脈血行異常症
,
門脈圧亢進症
pp.1576-1580
発行日 2021年10月20日
Published Date 2021/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002006
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バッド・キアリ症候群は,肝硬変症を伴う門脈圧亢進症とは異なり,門脈血行の異常から食道静脈瘤や腹水などの門脈圧亢進症症状をきたす疾患である.病因として未だ明らかなものは特定されていないが,伴う門脈圧亢進症に対するコントロールが可能であれば長期予後が期待される.厚生労働省の難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究では,門脈血行異常症ガイドラインを作成しており,その指針を示している.とくに急性の経過をたどるものは予後が不良であり,専門家のいる施設に速やかに紹介し,肝臓移植を含めた治療方針を決定することが必要である.
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