特集 門脈圧亢進症に対する診療
1.門脈圧亢進症の成因と疫学
石上 雅敏
1
1名古屋大学大学院医学系研究科消化器内科学
キーワード:
門脈圧亢進症
,
分類
,
成因
,
疫学
Keyword:
門脈圧亢進症
,
分類
,
成因
,
疫学
pp.1481-1486
発行日 2021年10月20日
Published Date 2021/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001993
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門脈圧亢進症とは,門脈循環系の血圧上昇に伴い,腹水,黄疸,静脈瘤出血,特発性細菌性腹膜炎,その他の細菌感染症のリスク上昇,肝性脳症,肝腎症候群,肝不全などをきたす症候群と定義されている.治療が進歩した現在でも世界で年間約200万人がこれらの慢性肝疾患の合併症で死亡すると報告されている.門脈圧亢進症は責任病変部位により,肝前性,肝内性(前類洞性,後類洞性),肝後性に分類され,それぞれで若干病態が異なる.本稿では,門脈圧亢進症形成の生物学的メカニズム,またその原因疾患の疫学,およびその病態について述べたい.
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