今月の主題 肝・胆・膵疾患の画像診断
疾患別による画像診断アプローチ
門脈圧亢進症の診断
中村 仁信
1
,
橋本 勉
1
,
沢田 敏
2
1大阪大学微生物病研究所・放射線科
2関西医科大学・放射線科
pp.1250-1256
発行日 1987年7月10日
Published Date 1987/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221019
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門脈圧亢進症は,門脈系の血行動態の異常のため門脈圧が上昇し,それに伴って多彩な病状を呈する症候群である.門脈圧は,健常人では100〜150mmH20であるのに対し,門脈圧亢進症では220mmH20以上に固定されている.門脈圧亢進症の原因となる疾患は,奥田らによれば1),頻度の高い順に肝硬変,特発性門脈圧亢進症,肝外門脈閉塞症などで,とくに肝硬変は全体の64%を占めている.本稿では,まず門脈圧亢進症に共通してみられる画像所見を述べ,次に各疾患の概略と画像の特徴を述べる.
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