特集 胆管癌診療の現況
巻頭言
五十嵐 良典
1
1東邦大学医療センター大森病院消化器内科
pp.1363-1364
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001962
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胆道系疾患の診療を行ううえで,胆管癌は重要な疾患の一つである.以前は,患者が黄疸を発症して病院を訪れることが多く,肝炎や膵癌などの鑑別を行うことが重要であった.最近では画像診断の進歩もあり,検診などで肝機能障害を指摘されたことを契機に,体外式超音波検査,CT検査,MRI(MRCP)検査などが行われる.とくにCTやMRCPなどで三次元構築された画像は,胆道系疾患の診断に有用である.また,造影CT検査で血管の走行を三次元構築することで,胆管癌の血管浸潤の有無を推測できることは有用である.EUSなども外来で施行され,総胆管狭窄や,周囲リンパ節腫脹の有無も診断できる.部位によってはリンパ節腫大に対してEUS—FNAで組織診断を行うことができる.胆管癌が疑われれば,入院でERCP,胆管細胞診,胆管生検診断,IDUSや胆道鏡などが施行される.
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