Japanese
English
特集 いま胆囊癌を見直す
胆囊壁肥厚性病変の診断とその限界
Wall Thickning of the Gallbladder ; Diagnosis and its Limitation
猪狩 功遺
1
,
亀井 明
1
,
高野 浩一
1
,
浅原 新吾
1
,
藤田 直哉
1
,
倉岡 研輔
1
,
加藤 薫
1
,
藤田 力也
1
Takaaki IKARI
1
,
Akira KAMEI
1
,
Kohichi TAKANO
1
,
Shingo ASAHARA
1
,
Naoya FUJITA
1
,
Kensuke KURAOKA
1
,
Kaoru KATOH
1
,
Rikiya FUJITA
1
1癌研究会有明病院消化器病センター消化器内科
1Department of Gastroenterology,Cancer Institute Ariake-Hospital
キーワード:
胆囊壁肥厚
,
鑑別診断
,
画像診断
Keyword:
胆囊壁肥厚
,
鑑別診断
,
画像診断
pp.185-192
発行日 2006年3月15日
Published Date 2006/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100140
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要旨 日常遭遇する胆道疾患で最も鑑別が難しいものの1つが胆囊壁肥厚性病変である.なにより,癌の見逃しは患者の予後を左右する.良性疾患に典型的な所見であれば経過観察でよいが,胆囊癌を否定できなければ切除が望ましい.拾い上げ検査としてはUSが一般的であるが,胆囊頸部から胆囊管,底部の壁肥厚はUSでは十分観察できないことがある.壁の性状診断にはEUSが必要である.胆石合併例ではUS,EUSでは十分な観察ができないことがあり注意すべきである.胆囊全体を観察するうえでマルチスライスCT(Multi-detector row CT;以下MDCT)は有用である.US,EUSに比べ空間分解能に劣るが,結石の影響を受けず,Multiplanar reconstruction(多断面断層像;以下MPR)を作成することで,横断像の欠点を補うことができる.壁の厚みが軽度(3~5 mm)で,肥厚と濃染が均一なら慢性胆囊炎が考えられ,壁在結石や無エコーの存在は腺筋腫症が考えられる.不整な限局性壁肥厚や高度な壁肥厚は癌を除外する必要がある.血管造影も進行胆囊癌の診断に限り有効なことがある.壁肥厚型の胆囊癌は進行癌であることが多く,疑わしきは切除すべきである.
消化器画像2006 ; 8 : 185-192
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