急性膵炎-診療ガイドラインの改訂を受けて
急性膵炎の疫学
廣田 衛久
1
,
濱田 晋
,
正宗 淳
,
菊田 和宏
,
下瀬川 徹
1東北大学病院 消化器内科
キーワード:
危険因子
,
再発
,
死因
,
膵炎
,
性因子
,
発生率
,
有病率
,
膵炎-アルコール性
,
性別分布
,
胆石
Keyword:
Cause of Death
,
Pancreatitis
,
Recurrence
,
Risk Factors
,
Sex Factors
,
Incidence
,
Prevalence
,
Sex Distribution
,
Pancreatitis, Alcoholic
,
Gallstones
pp.509-513
発行日 2016年4月20日
Published Date 2016/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016251534
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2011年の1年間に日本の医療施設で診療された急性膵炎患者を対象として実施された全国疫学調査によると,推定患者数は63,080人(95%信頼区間:57,678~68,484),10万人当りの有病率は49.4人であり,近年増加傾向にある.男女比は1.9:1と男性が多く,平均年齢は男性が58.5±16.9歳,女性が65.3±19.6歳と男性は女性に比べ若年で発症する傾向であった.成因には性差があり,男性はアルコール性がもっとも多く46.2%,胆石性が19.7%,特発性が13.4%.一方,女性は胆石性がもっとも多く40.3%,特発性22.8%,アルコール性9.9%の順であった.急性膵炎全体の致命率は2.6%であったが,日本の重症度診断基準である造影CT Grade,または予後因子スコアで重症と診断された患者の致命率は10.1%であった.
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