特集 急性膵炎診療ガイドライン改訂とPancreatitis Bundles を読み解く
1.急性膵炎の疫学 ―近年増加している急性膵炎
池田 未緒
1
,
濱田 晋
1
,
菊田 和宏
1
,
滝川 哲也
1
,
松本 諒太郎
1
,
正宗 淳
1
1東北大学病院消化器内科
キーワード:
急性膵炎
,
全国調査
,
予後因子
,
造影CT Grade
Keyword:
急性膵炎
,
全国調査
,
予後因子
,
造影CT Grade
pp.1019-1024
発行日 2023年6月20日
Published Date 2023/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002713
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急性膵炎患者は近年増加している.2016年の全国調査では受療患者数は年間78,450人と推定されており,2011年の調査と比較し,約25%増加した.平均年齢は男性で59.9歳,女性で66.5歳であり,過去の全国調査の結果と比較し徐々に高齢化している.成因においては,男性ではアルコール,女性では胆石が最多である.急性膵炎の致命率は,最新の全国調査において軽症で0.5%,重症で6.1%であった.致命率は改善しているものの,walled-off necrosis (WON)を合併した患者の致命率は6.7%と高く,今後の課題となっている.現在新たな全国調査が進行中であり,結果が待たれる.
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