特集 小児の便秘:最近の知見
便秘の定義と分類
松藤 凡
1
,
矢田 圭吾
1
,
亀山 泰幸
1
,
出口 晴教
1
Hiroshi Matsufuji
1
,
Keigo Yada
1
,
Yasuyuki Kameyama
1
,
Harunori Deguchi
1
1聖路加国際病院小児外科
pp.332-335
発行日 2022年4月25日
Published Date 2022/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000091
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はじめに
便秘は,多くの人が一生のうちに一度は経験する一般的な消化器症状であり,臨床医にとっても最も多く遭遇する訴えの一つである。便の出しづらさ,排便時の痛みや出血,腹部膨満感,食欲低下などの不快な症状を伴うばかりでなく,時には仕事や学校生活にも支障をきたしQOLを大きく損ないかねない。便秘の頻度は2~27%と判断基準により幅があり1,2),一般成人を対象とした調査では12%が便秘を自覚していた3)。しかし,その65%以上が医療機関を受診せずに市販の便秘薬を使っていることから3),便秘症の頻度は過少に見積もられている可能性が高い。また,治療期間も長きにわたることから医療経済に与える影響も無視できないものになっている。
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