特集 機能性消化管疾患―診療UPDATE
2.機能性下部消化管疾患(1)過敏性腸症候群 c.改訂学会ガイドラインが提示する治療の要点
神谷 武
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科次世代医療開発学
キーワード:
過敏性腸症候群
,
治療
,
診療ガイドライン
Keyword:
過敏性腸症候群
,
治療
,
診療ガイドライン
pp.520-526
発行日 2021年4月20日
Published Date 2021/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001760
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過敏性腸症候群(IBS)はcommon diseaseであるが,その治療成績は必ずしも満足するものではない.わが国では2014年にIBSの診療ガイドラインが作成され,2020年に改訂された.治療は3段階からなり,第1段階では食事指導,生活指導と併せ消化管主体の治療を行う.改善が乏しい場合,第2・第3段階に進み,ここでは消化管に加え中枢機能の調整を含む治療を行う.改訂学会ガイドラインでは粘膜上皮機能変容薬,非刺激性下剤などのエビデンスレベルが変更され,抗菌薬も使用が提案されている.今回のガイドライン改訂が,IBSの一般医家および国民への啓発と,治療成績の向上に結びつくことを期待したい.
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