特集 感染症と消化器 ― 診断と治療:感染症専門医から消化器内科医へのアドバイス
1.おもな消化器感染症の抗菌薬療法の進歩(2)二次性腹膜炎の抗菌薬療法(急性虫垂炎,憩室炎も含む)
根井 貴仁
1
1健和会大手町病院内科(呼吸器内科)/感染症科
キーワード:
二次性腹膜炎
,
抗菌薬療法
,
ソースコントロール
,
耐性菌
Keyword:
二次性腹膜炎
,
抗菌薬療法
,
ソースコントロール
,
耐性菌
pp.243-250
発行日 2021年2月20日
Published Date 2021/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001694
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二次性腹膜炎の治療は非常に困難である.いくつかのガイドラインや手引きなどがあるが,本音からすれば,それが役に立ったと感じられたことはほとんどない.また昨今の耐性菌拡大の問題や,腸球菌などの日和見菌をどう考えるか,また真菌が分離された場合の対応など,考えることは山積みである.しかし基本はソースコントロールの徹底化であり,それを行えば比較的短期間の抗菌薬投与でも差し支えないかもしれない,といった報告もある.ところが実際はソースコントロールも含めて患者の治療評価は難しいことがほとんどである.困難な症例は是非われわれ感染症専門医に声をかけていただき,共に対応を考えていきたい.
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