透析患者の消化管疾患AtoZ 各論
7.腹腔・腹壁 1 細菌性腹膜炎
安永 親生
1
,
吉松 正憲
1
,
宮崎 雄幸
1
,
吉屋 圭史
1
1済生会八幡総合病院腎センター
キーワード:
二次性腹膜炎
,
画像診断
,
非閉塞性虚血性腸炎
Keyword:
二次性腹膜炎
,
画像診断
,
非閉塞性虚血性腸炎
pp.1057-1063
発行日 2021年8月25日
Published Date 2021/8/25
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001868
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細菌性腹膜炎とは病原性細菌によって引き起こされる腹膜の感染症である.外傷性の腸管損傷,手術後の吻合不全,腸管内細菌の腹腔内への移行,および管腔臓器の炎症や穿孔によって引き起こされる病態であり,①原発性細菌性腹膜炎(primary bacterial peritonitis)と,②二次性細菌性腹膜炎(secondary bacterial peritonitis)とに分類される.①は特発性細菌性腹膜炎(spontaneous bacterial peritonitis;SBP)に代表される腸管損傷を伴わない腹膜炎であり,小児や非代償性肝硬変および免疫抑制状態の患者などにおいて発生する.②は腸管穿孔や腸管壊死および穿通性の腸管感染などによる消化管損傷によって引き起こされる腹膜炎である.また,原発性および二次性腹膜炎の初期治療後にみられる持続性または反復性腹膜炎を三次性(tertiary)腹膜炎と称することもある.
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