特集 IBD診療のdecision making ― 専門医の選択
5.クローン病小腸画像検査(2)バルーン内視鏡検査の実際と有用性
辻川 知之
1
,
神田 暁博
2
,
大槻 晋士
2
,
馬場 重樹
3
,
高橋 憲一郎
3
1公立甲賀病院消化器内科
2東近江総合医療センター消化器内科
3滋賀医科大学消化器内科
キーワード:
バルーン内視鏡
,
内視鏡的拡張術
,
確定診断
,
粘膜損傷
Keyword:
バルーン内視鏡
,
内視鏡的拡張術
,
確定診断
,
粘膜損傷
pp.196-201
発行日 2021年1月20日
Published Date 2021/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001675
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バルーン内視鏡は他のモダリティに比べて単に小腸を観察するだけでなく,生検可能であることが特徴である.したがって,クローン病小腸病変の診断確定時には生検目的も兼ねてバルーン内視鏡を施行すべきである.また微細病変観察も容易であることから,アフタ病変や治療による瘢痕化の有無判定などにも有用である.しかしながら,バルーン内視鏡がクローン病診療においてもっとも優れている点は,頻度の高い腸管合併症である小腸狭窄に対して内視鏡的拡張術が可能となったことである.この手技の安全性や効果が確認され,より多くの症例が手術回避となっている.ただし,バルーン内視鏡がさらに普及するには患者の苦痛軽減や深部挿入性の向上が今後の課題である.
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