特集 胆道・膵疾患を診る―早期診断・早期治療のために
胆膵疾患総ざらい
慢性膵炎
藤森 尚
1
,
松本 一秀
2
,
寺松 克人
2
,
竹野 歩
2
,
小川 佳宏
2
1九州大学病院 肝臓・膵臓・胆道内科
2九州大学大学院 医学研究院病態制御内科学
キーワード:
慢性膵炎
,
薬物療法
,
内視鏡治療
,
早期慢性膵炎
Keyword:
慢性膵炎
,
薬物療法
,
内視鏡治療
,
早期慢性膵炎
pp.77-83
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_77
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Summary
▪慢性膵炎の診断基準が約10年ぶりに改訂され,mechanistic definitionという概念が導入された.今後は早期慢性膵炎診断の妥当性,長期経過の検証が必要である.
▪慢性膵炎の成因,症状の有無,膵内外分泌機能,画像所見,病期などを総合的に評価することが重要であり,断酒・禁煙などの生活指導および栄養指導を適切に行ったうえで,薬物療法を検討する.
▪鎮痛薬や蛋白分解酵素阻害薬,膵消化酵素薬,胃酸分泌抑制薬,膵性糖尿病に対する治療などが内科的治療の主体となる.有症状の膵石症や膵管狭窄に対して,低侵襲治療である内視鏡治療を検討する.これらの治療を組み合わせるとともに,慢性膵炎の長期経過を視野に入れた診療が望まれる.
© Nankodo Co., Ltd., 2022