特集 消化管内視鏡診断の基本手技
下部消化管 大腸超音波内視鏡検査
迎 美幸
1
,
小林 清典
,
金澤 潤
,
別當 朋広
,
川岸 加奈
,
横山 薫
,
佐田 美和
,
小泉 和三郎
1北里大学 医学部消化器内科学
キーワード:
腫瘍侵入性
,
浸漬
,
鑑別診断
,
大腸腫瘍
,
超音波内視鏡検査
,
超音波プローブ
,
周波数
,
腸洗浄
Keyword:
Endosonography
,
Colorectal Neoplasms
,
Diagnosis, Differential
,
Immersion
,
Neoplasm Invasiveness
pp.618-625
発行日 2020年4月25日
Published Date 2020/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020250305
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超音波内視鏡(EUS)は、消化管病変を管腔内からの垂直断層像として描出することが可能であり、下部消化管疾患に対しては大腸癌の深達度診断や粘膜下腫瘍の質的診断などに用いられる。現在は、大腸でのEUS専用機が市販されていないため超音波プローブを用いており、12MHzと20MHzの機種が使用でき、病変の肉眼形態や検査目的などに応じて選択する。大腸EUSでは脱気水充満法で超音波走査を行うが、腸管蠕動を抑制するために禁忌疾患がなければ鎮痙薬を使用する。大腸壁はEUSにより基本的には5層構造として描出される。大腸癌の深達度は、腫瘍により壁層構造の狭小化や断裂を認める最深層でEUSにより診断する。また粘膜下腫瘍の質的診断は、腫瘍の局在層と内部エコーに着目して診断する。なお、病変の存在部位や肉眼形態によっては描出困難な場合があるため、大腸EUS検査にあたっては、描出困難病変に対する対策について理解しておく必要がある。
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