特集 消化管疾患のER―診断と治療のポイント
5 . 難治性・再発性憩室炎―S 状結腸膀胱瘻を中心として
富沢 賢治
1,2
,
的場 周一郎
2
,
平松 康輔
2
,
花岡 裕
2
,
戸田 重夫
2
,
黒柳 洋弥
2
1せたがや内科・消化器クリニック
2虎の門病院消化器外科
キーワード:
大腸憩室症
,
S 状結腸憩室炎
,
S 状結腸膀胱瘻
,
腹腔鏡手術
Keyword:
大腸憩室症
,
S 状結腸憩室炎
,
S 状結腸膀胱瘻
,
腹腔鏡手術
pp.597-604
発行日 2020年5月20日
Published Date 2020/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001167
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繰り返す大腸憩室症による憩室炎によりS 状結腸膀胱瘻や腸管狭窄などの難治性憩室炎を引き起こす症例は,一定の割合で存在する.しかしながら一般内科医のみならず消化器内科医にとっても本疾患群の概念や治療方針,取り扱いについて整理,周知されていないのが現状であろう.難治性憩室炎は今後,人口の高齢化などから増加が予測されるが,保存的には改善せず,適切なタイミングでの外科介入が必要である.大腸憩室穿孔症例では腹膜炎を呈しており緊急開腹は状況に応じてやむをえないが,憩室炎によるS 状結腸膀胱瘻は良性疾患であるためより低侵襲な腹腔鏡手術が望ましい.本稿では実際の症例を提示しながら解説する.
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