特集 消化管疾患のER―診断と治療のポイント
6 .急性虫垂炎の診断と治療
渡邉 学
1
,
浅井 浩司
1
,
森山 穂高
1
,
鯨岡 学
1
,
渡邉 隆太郎
1
,
斉田 芳久
1
1東邦大学医療センター大橋病院外科
キーワード:
虫垂炎
,
腹腔鏡下虫垂切除術
,
待機的虫垂切除
Keyword:
虫垂炎
,
腹腔鏡下虫垂切除術
,
待機的虫垂切除
pp.605-610
発行日 2020年5月20日
Published Date 2020/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001168
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急性虫垂炎は,腹部救急疾患のなかで頻度の高い疾患であり,近年の画像診断技術の進歩,内視鏡外科手術の普及により,その診断・治療は多様化している.診断に関しては,急性虫垂炎の典型的症状の発現率は50~60%であり,その診断には超音波検査,CT 検査,MRI 検査などの画像診断を症例により適宜使い分ける必要がある.治療に関しては,単純性虫垂炎の初期治療として抗菌薬による保存的治療もしくは手術治療が選択されるが,どちらが優れているかという一定の見解は得られていない.一方,複雑性虫垂炎に対しては膿瘍ドレナージも含めた保存的治療にて炎症を鎮静化した後の待機的虫垂切除術が選択されるようになっている.どちらにしても,現状では,急性虫垂炎に対する標準治療は手術治療であると考える.
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