特集 消化管疾患のER―診断と治療のポイント
2 .腹部救急疾患における画像検査の選択
水沼 仁孝
1
1那須赤十字病院放射線科
キーワード:
絞扼性腸閉塞症
,
complicated appendicitis
,
妊婦の画像診断
,
ダイナミックCT
,
非造影MR
Keyword:
絞扼性腸閉塞症
,
complicated appendicitis
,
妊婦の画像診断
,
ダイナミックCT
,
非造影MR
pp.571-580
発行日 2020年5月20日
Published Date 2020/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001164
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腹部救急疾患にもっとも適した画像診断は非造影,造影早期相,平衡相の3 相を撮影する造影CT(ダイナミックCT)である.造影早期相にて消化管壁の造影効果の著しい低下や欠損を認めた場合には腸管虚血と診断できる.虫垂炎により惹起される汎発性腹膜炎,腹腔内膿瘍や腸間膜静脈血栓症などはcomplicated appendicitis と呼ばれる疾患概念で捉えられており,これを速やかに診断することがCT の役割となる.妊婦の画像診断は被曝のない超音波,MR を初めに考慮するが,1 回のCT 検査が胎児に与える催奇形性のリスクはほとんどない.腎盂腎炎,大動脈解離は,非造影MR でCT 平衡相と同等の診断能を得ることができる.脱水,腎不全症例には最初に試みるべき検査法となっている.
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