特集 肝細胞癌との鑑別を要する良性腫瘤―画像と病理
Focal Spared Area
板井 悠二
1
,
入江 敏之
1
,
東野 英利子
1
Yuji ITAI
1
,
Toshiyuki IRIE
1
,
Eriko TOHNO
1
1筑波大学臨床医学系放射線医学
1Department of Radiology Institute of Clinical Medicine, University of Tsukuba
キーワード:
focal spared area
,
脂肪肝
,
ダイナミックCT
,
カラードプラ
,
MR opposed image
Keyword:
focal spared area
,
脂肪肝
,
ダイナミックCT
,
カラードプラ
,
MR opposed image
pp.75-79
発行日 2001年1月15日
Published Date 2001/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900254
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疾患概念 Focal spared areaとは脂肪肝における脂肪化を欠く,あるいはより弱い部を指す.多くは肝門,胆嚢周囲に接する肝表面に連なって生じる.門脈本幹を経由しない消化器起源の静脈系が肝に直接流人し,小腸吸収の栄養素を持たぬ静脈血が門脈血に代わって供血されることが主因である(‘nonportal’sp1anchnic venoussupply).また門脈血を欠き動脈血のみが供血する部(広義の動門脈瘻)ではこの門脈系の破格によらずどの部位にも生じ得る.時に原因の推定できぬものもある.脂肪肝に生じた腫瘍との鑑別は部位(前述),形態(肝辺縁に広く接し,楔型,菱型でよりギザギザとした輪郭で円形とは異なる)より多くは容易だが,非定型例ではdynamic study,カラードプラ,MRI oppoged im―age,さらに生検も必要となる.
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