特集 慢性胃炎を再考する
7 .H. pylori 以外の感染性胃炎
池上 幸治
1
,
蔵原 晃一
1
,
河内 修司
2
,
八板 弘樹
1
,
浦岡 尚平
1
,
大城 由美
3
1松山赤十字病院胃腸センター
2千早病院内科
3松山赤十字病院病理診断科
キーワード:
感染性胃炎
,
胃梅毒
,
胃結核
,
サイトメガロウイルス胃炎
,
胃カンジダ症
Keyword:
感染性胃炎
,
胃梅毒
,
胃結核
,
サイトメガロウイルス胃炎
,
胃カンジダ症
pp.1595-1600
発行日 2019年11月20日
Published Date 2019/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000989
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H. pylori以外の感染性胃炎はまれであり,診断に難渋することが多い.胃梅毒は幽門前庭部に好発する潰瘍性病変と胃体部~穹窿部の辺縁白色調で中心陥凹を伴う円盤状隆起が特徴で,今後増加する可能性がある.胃結核は前庭部から体部の小彎側に好発する潰瘍性病変が多いが,多彩な所見を呈し,疑われるときには生検,培養,PCR,IGRAといった複数の検査を提出する.日和見感染として発症することが多いサイトメガロウイルス胃炎は胃角から前庭部に好発する多発打ち抜き様ないし地図状潰瘍を呈し,縁取るような発赤を伴う.胃カンジダ症は厚い白苔を伴い隆起の目立つ多発性潰瘍や結節状隆起を呈し,食道カンジダを伴わないことが多い.これらの疾患を鑑別に挙げることで,適切な生検やその他検査の提出により,迅速な診断,治療に結び付く可能性がある.
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