特集 慢性胃炎を再考する
1 .胃炎分類と慢性胃炎
鎌田 智有
1
,
角 直樹
1
,
井上 和彦
2
,
眞部 紀明
3
,
高尾 俊弘
1
,
春間 賢
4
1川崎医科大学健康管理学
2淳風会健康管理センター
3川崎医科大学検査診断学(内視鏡・超音波)
4川崎医科大学総合内科学2
キーワード:
胃炎分類
,
慢性胃炎
,
ヘリコバクター・ピロリ感染
Keyword:
胃炎分類
,
慢性胃炎
,
ヘリコバクター・ピロリ感染
pp.1545-1554
発行日 2019年11月20日
Published Date 2019/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000983
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胃炎の内視鏡診断は1920年代に発表されたSchindlerの胃鏡による胃炎の診断に始まり,これが基盤となり,さらに日本独自の分類やシドニー分類などを経て現在に至っている.胃癌とH. pylori感染との関連は明白であり,内視鏡所見からH. pylori感染の有無を診断することは胃癌リスクを評価するうえにおいて重要である.「胃炎の京都分類」は19の特徴的な内視鏡所見からH. pylori感染を未感染,現感染,除菌後を含む既感染に分類し,その組織学的胃炎の診断までをほぼ可能とした胃炎分類である.H. pylori未感染者の特徴的な内視鏡所見としてRACが重要であり,現感染者の所見としてびまん性発赤や白濁粘液付着に伴う萎縮,腸上皮化生,鳥肌,皺襞腫大など,既感染者の所見としてびまん性発赤の消退,これに伴う地図状発赤の顕在化が挙げられる.
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