特集 臨床医に必要な対策型胃内視鏡検診の知識
胃内視鏡検診における「胃炎の京都分類」の使い方
鎌田 智有
1
,
角 直樹
,
眞部 紀明
,
高尾 俊弘
,
春間 賢
1川崎医科大学 健康管理学
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
胃炎
,
胃炎-萎縮性
,
胃鏡法
,
胃粘膜
,
集団検診
,
分類
,
腸上皮化生
Keyword:
Classification
,
Mass Screening
,
Gastritis
,
Gastritis, Atrophic
,
Gastric Mucosa
,
Gastroscopy
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
pp.1799-1808
発行日 2019年12月25日
Published Date 2019/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020105041
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胃がんとH.pylori感染との関連は明白であり、内視鏡所見からH.pylori感染の有無を診断することは胃がんリスクを評価するうえで重要である。「胃炎の京都分類」は19の特徴的な内視鏡所見からH.pylori感染を未感染、現感染、除菌後を含む既感染に分類し、その組織学的胃炎の診断までをほぼ可能にした胃炎分類である。H.pylori未感染者の特徴的な内視鏡所見としてRAC、現感染者の所見としてびまん性発赤や白濁粘液付着に伴う萎縮、腸上皮化生、鳥肌、皺襞腫大など、既感染者の所見としてびまん性発赤の消褪、これに伴う地図状発赤の顕在化があげられる。「胃炎の京都分類」を胃内視鏡検診において有効的に活用することで、内視鏡検査を用いたH.pylori感染診断がほぼ可能となり、胃がん死撲滅に向けた胃炎の診断から除菌治療、そして除菌後のサーベイランスまでが標準化できると考えられる。
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