ネフローゼ症候群 診療の新たな潮流 ネフローゼ症候群の治療
副腎皮質ステロイド
若杉 大輔
1
,
奥田 誠也
1久留米大学 医学部内科学講座腎臓内科部門
キーワード:
カンジダ症
,
ネフローゼ-リポイド
,
ネフローゼ症候群
,
Prednisolone
,
ウイルス活性化
,
肝炎-B型
,
骨粗鬆症
,
再発
,
糸球体硬化症-巣状分節性
,
糸球体腎炎-膜性
,
糸球体腎炎-膜性増殖性
,
肺炎-ニューモシスチス
,
薬物用量反応関係
Keyword:
Candidiasis
,
Dose-Response Relationship, Drug
,
Glomerulosclerosis, Focal Segmental
,
Hepatitis B
,
Nephrosis, Lipoid
,
Nephrotic Syndrome
,
Osteoporosis
,
Pneumonia, Pneumocystis
,
Prednisolone
,
Recurrence
,
Virus Activation
,
Glomerulonephritis, Membranoproliferative
,
Glomerulonephritis, Membranous
pp.731-737
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013356252
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副腎皮質ステロイドは,原発性ネフローゼ症候群の治療において中心となる薬剤である.微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)ではprednisolone(PSL)0.8~1mg/kg/dayで治療を開始し,寛解後1~2週間は同量を継続,その後は1~2年かけて緩徐に漸減する.MCNSの再発時は,PSL 20~30mg/dayあるいは初期投与量まで増量する.巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)ではPSL 1mg/kg/dayで4週間治療し,効果がなければ免疫抑制薬の併用を検討する.膜性腎症(MN)ではPSL 0.6~0.8mg/kg/dayで治療を開始するが,副作用軽減のため免疫抑制薬を早期から併用することもある.免疫抑制によるB型肝炎ウイルス(HBV)再活性化に注意する.ステロイド性骨粗鬆症の予防的投薬を行う(第一選択はビスホスホネート製剤).ST合剤などによるニューモシスチス肺炎の予防を行う.
©Nankodo Co., Ltd., 2013