特集 肝と免疫2019
4.B 型肝炎と免疫(1)B 型肝炎ウイルスに対する防御的免疫反応
由雄 祥代
1
,
考藤 達哉
1
1国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター肝疾患研究部
キーワード:
functional cure
,
IL‒21
,
濾胞性ヘルパーT 細胞(Tfh)
,
B 細胞
,
IDO
Keyword:
functional cure
,
IL‒21
,
濾胞性ヘルパーT 細胞(Tfh)
,
B 細胞
,
IDO
pp.527-536
発行日 2019年4月20日
Published Date 2019/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000740
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B 型慢性肝炎患者において,現在の治療法により臨床的治癒(functionalcure)が得られるのは年率1%未満であり,新規治療の開発が強く望まれている.B 型肝炎ウイルス(HBV)に対する免疫応答の要は,HBV 特異的CD8+ T細胞による感染細胞の排除,濾胞性ヘルパーT 細胞(Tfh)とHBV 特異的B 細胞応答により十分量のHBs 抗体が産生されることであり,これらが起こる際には,血清CXCL9,CXCL10,CXCL11,CXCL13,IL‒21 が増加する.また,抗原提示細胞としての肝細胞・Kupffer 細胞の重要性も明らかになった.近年の研究により,慢性肝炎患者においてHBV 特異的CD8+ T 細胞の機能低下のみならず,Tfh細胞やB 細胞の機能低下が持続感染に寄与することが明らかになってきており,新たな治療標的として期待されている.
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