連載 手技の解説
Endocytoscopyを使った内視鏡診断の実際:胃
野田 啓人
1
,
貝瀬 満
1
1日本医科大学付属病院消化器内科学
キーワード:
endocytoscopy
,
超拡大内視鏡観察
,
早期胃癌
Keyword:
endocytoscopy
,
超拡大内視鏡観察
,
早期胃癌
pp.215-220
発行日 2019年1月20日
Published Date 2019/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000656
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近年,内視鏡により生きた細胞や核を直接観察する超拡大観察が注目されるようになってきた.その端緒は意外に古く,1980 年のHamouの報告に端を発する.Hamouは産婦人科領域の硬性鏡による接触型内視鏡contact endoscopy(Karl Storz 社)を用いて細胞観察ができることを報告した.その後も硬性鏡による整形領域や大腸の観察の報告があったものの,硬性鏡による超拡大観察という限界があった.2003 年Olympus Medical Systems 社により軟性鏡で使用できるプローブ型超拡大内視鏡endocytoscopysystem( ECS)が開発された.その有用性はKumagai,Inoue らによって報告された.ECS はその後二眼一体型,一眼一体型へと進化し,2018 年ついに臨床使用に耐える超拡大内視鏡として上市されることとなった.
ECS による観察は核を染色して行われるため,染色可能なあらゆる臓器において細胞だけではなく核異型も捉えることが可能である.こうして得られた画像は,従来の顕微鏡下のhematoxylin‒eosin 染色の水平像との相関が高く,現在のgold standard である生検材料の組織像に近似したoptical biopsy が実現できると期待されている.本稿ではECS による早期胃癌診断について,その手技を中心に概説する.
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