特集 消化器病漢方治療―理論と実践
3 .理論:漢方薬作用機序の科学的解明 (2)大建中湯
河野 透
1,2
1札幌東徳洲会病院先端外科センター
2札幌東徳洲会病院臨床試験センター医学研究所
キーワード:
漢方薬
,
CGRP
,
アドレノメデュリン
,
TRPチャネル
,
相互作用
Keyword:
漢方薬
,
CGRP
,
アドレノメデュリン
,
TRPチャネル
,
相互作用
pp.1357-1364
発行日 2018年9月20日
Published Date 2018/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000527
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漢方薬は日本の伝統医薬として独自に発展してきたが,西洋薬的なエビデンスレベルに到達している漢方薬はきわめて少ない.日本でもっとも多く処方されている大建中湯は比較的歴史が浅く,500年前に登場した.30年前に初めて保険収載され,本稿では最近,明らかとなってきた腸管血流,腸管運動改善,とくに術後イレウス改善効果に関する基礎的エビデンス,とくに,カルシトニンファミリーペプチド,TRPチャネルやKチャネルを介した作用を中心に概説した.また,大建中湯の薬物動態試験から明らかとなってきた大建中湯の成分レベルでの相互作用を概説し,漢方薬がレジメン的薬理作用を有していることを提言した.
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