特集 非乳頭部十二指腸腺腫・癌の診療方針
4.非乳頭部十二指腸腫瘍の内視鏡診断
中山 敦史
1
,
加藤 元彦
2
,
高取 祐作
1
,
松浦 倫子
1
,
矢作 直久
1
1慶應義塾大学医学部腫瘍センター低侵襲療法研究開発部門
2慶應義塾大学病院内視鏡センター
キーワード:
表在型非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍
,
非腫瘍性病変
,
拡大画像強調内視鏡
,
腸型形質
,
胃型形質
Keyword:
表在型非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍
,
非腫瘍性病変
,
拡大画像強調内視鏡
,
腸型形質
,
胃型形質
pp.1489-1496
発行日 2023年10月20日
Published Date 2023/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002836
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表在型非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍(SNADET)の内視鏡診断については,はじめに非腫瘍性病変(NNL)の鑑別による存在診断を行う.表面構造open-loop structureもしくはclosed-loop structure(以下,closed)ごとにアルゴリズムに沿って鑑別する.次に,SNADETについての質的診断に移る.腺腫と癌の内視鏡鑑別診断について検討した結果,癌と診断しうる病変は,①部位が十二指腸近位側,②腫瘍径が大きい,③表面構造closedを呈する,④white opaque substance (WOS)なしである傾向にあった.粘液形質との関連についての既報では,胃型形質が十二指腸近位側に多く,隆起型を呈し,癌の割合が多かった.また腸型形質ではWOSありが多く,それぞれの粘液形質で異なる表面構造を呈した.現時点では,SNADETの内視鏡診断は表面構造ごとの分類や粘液形質を想定した診断を考慮する独自の診断学が適切ではないかと考えている.
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