特集 胆道・膵疾患を診る―早期診断・早期治療のために
胆膵疾患総ざらい
膵神経内分泌腫瘍
肱岡 範
1
1国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科
キーワード:
膵神経内分泌腫瘍
,
WHO分類
,
放射性核種標識ペプチド療法(PRRT)
Keyword:
膵神経内分泌腫瘍
,
WHO分類
,
放射性核種標識ペプチド療法(PRRT)
pp.85-90
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_85
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Summary
▪神経内分泌腫瘍(NEN)は全身臓器に発生するが,消化器に発生するものが約60%と最も多い.
▪膵神経内分泌腫瘍(pNET)はstage以外にもWHO悪性度分類,機能性/非機能性の有無,遺伝性疾患の有無など多面的な診断が必要である.
▪とくにpNETをみた際は,多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1)の遺伝性疾患が背景に隠れていないかをチェックすることが重要である.
▪pNETの画像診断はG1/G2,G3では顔つきが大きく異なる.また,インスリノーマ,ガストリノーマは原発が非常に小さいため診断には注意を要する.
▪pNETは集学的治療が有効な疾患であるが,小病変は経過観察も選択肢である.
▪2021年より放射性核種標識ペプチド療法(PRRT)が本邦でも使用可能となった.PRRTを見据えた長期的,俯瞰的な治療方針を組み立てる必要がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2022