膵癌update
Ⅳ 鑑別疾患と類縁疾患 ④IPMN
丹野 誠志
1
1イムス札幌消化器中央総合病院消化器病センター
キーワード:
膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)
,
囊胞性膵腫瘍
Keyword:
膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)
,
囊胞性膵腫瘍
pp.911-915
発行日 2018年5月25日
Published Date 2018/5/25
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000413
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膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillarymucinous neoplasm of the pancreas;IPMN)は,豊富な粘液産生と膵管内乳頭状増殖を特徴とする膵腫瘍である.1982年に大橋らによって粘液産生膵癌として初めて報告され,その後に名称や分類に関する変遷を経て,国際的にIPMNの疾患概念が確立された.2006年に初めてのIPMN国際診療ガイドライン2006(International consensus guideline2006;ICG 2006)が作成され,2012年には改訂版であるICG 2012が発刊された.そして2017年には,エビデンスの追加など若干の修正が加えられたICG 2017が最新版として発表されている.
IPMNはadenoma‒carcinoma sequenceとして知られる癌化リスクを有する膵腫瘍である.一方,そのようなIPMN自体の癌化リスクとは別に,IPMNを有する膵には,同一膵内に通常型膵癌を併存するリスクの高いことが明らかにされ,国際的にも大きな関心を集めている.本稿では膵癌up to dateに関連する疾患として,IPMNの理解に必要な基礎的事項と臨床的対応の要点について概説する.
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