膵癌update
Ⅲ 治療 ⑫十二指腸ステント
中井 陽介
1
,
高原 楠昊
1
,
木暮 宏史
1
,
伊佐山 浩通
2
,
多田 稔
1
,
小池 和彦
1
1東京大学医学部消化器内科
2順天堂大学医学部消化器内科
キーワード:
十二指腸ステント
,
外科的胃空腸吻合術
,
超音波内視鏡ガイド下胆道ドレナージ
Keyword:
十二指腸ステント
,
外科的胃空腸吻合術
,
超音波内視鏡ガイド下胆道ドレナージ
pp.882-886
発行日 2018年5月25日
Published Date 2018/5/25
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000407
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
悪性疾患における胃・十二指腸狭窄(gastricoutlet obstruction;GOO)は,経口摂取量の低下という軽症から持続性嘔吐による脱水など高度なものまであり,栄養状態悪化やquality of life(QOL)の低下をもたらす.膵癌においては,とくに膵頭部癌で十二指腸球部から2nd portionに浸潤・狭窄をきたすことが多いが,体尾部癌においても十二指腸水平部へ浸潤・狭窄をきたすことがある.その頻度は10~20%程度とされているが,近年の化学療法の進歩によって切除不能膵癌の予後が延長し,治療経過中に合併する頻度が増えているという報告もある.上部消化管狭窄による症状の評価にはGOOSS(gastric outletobstruction scoring system)が広く用いられている(表₁).GOOに対する治療法としては,外科的胆管空腸吻合術と内視鏡的十二指腸ステント留置術が挙げられる.また膵癌における十二指腸狭窄症例では,高頻度に合併する胆管狭窄を同時に治療する機会も多いことにも留意が必要である.
Copyright © 2018, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.