膵癌update
Ⅲ 治療 ⑨放射線療法
伊藤 芳紀
1
1昭和大学医学部放射線医学講座放射線治療学部門
キーワード:
膵癌
,
化学放射線療法
,
強度変調放射線治療
,
体幹部定位放射線治療
,
粒子線治療
Keyword:
膵癌
,
化学放射線療法
,
強度変調放射線治療
,
体幹部定位放射線治療
,
粒子線治療
pp.862-867
発行日 2018年5月25日
Published Date 2018/5/25
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000404
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膵癌は,局所進行切除不能と診断された場合でも治療開始後早期に肝転移や腹膜播種などの遠隔転移をきたす割合が他の癌腫よりも高く,また,腸管などの周囲正常組織の耐容線量のために腫瘍に高線量投与ができないこともあり,局所療法としての放射線治療の意義が問われてきた.しかし,新規抗癌剤を併用した化学放射線療法の開発により局所進行切除不能膵癌の治療成績は向上し,中長期的な生存も期待できる報告が出てきている.また,最新の機器や照射技術を用いた高精度放射線治療により,有害事象を軽減させつつ,従来よりも腫瘍に高線量を投与することで治療成績の向上が期待されてきている.
本稿では,局所進行切除不能膵癌に対する化学放射線療法の標準治療と治療開発の状況について概説する.
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