特集 ガイドラインに基づいた肝癌診療
3.肝癌治療の実際(1)肝切除術
久保 正二
1
,
竹村 茂一
1
,
田中 肖吾
1
,
新川 寛二
1
1大阪市立大学大学院肝胆膵外科学
キーワード:
腫瘍径
,
腫瘍数
,
脈管侵襲
,
肝機能予備力
,
腹腔鏡下肝切除術
Keyword:
腫瘍径
,
腫瘍数
,
脈管侵襲
,
肝機能予備力
,
腹腔鏡下肝切除術
pp.613-618
発行日 2018年5月20日
Published Date 2018/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000347
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肝細胞癌に対する肝切除術の適応と術式は腫瘍条件と肝機能予備力から決定される.腫瘍径に制限はないが,腫瘍数3 個までが良い適応である.一次分枝までの門脈侵襲例は手術適応となる.切除断端距離は必要最低限でよい.術前肝機能予備力評価にはICG 負荷試験が用いられる.間欠的肝流入血流遮断法や下大静脈圧低下によって肝切離中出血量が減少する.腹腔ドレーンは必ずしも必要としない.肝前下領域(segment 2~6)に存在する単発5 cm 以下の腫瘍に対する肝部分切除術や肝外側区域切除術が腹腔鏡下肝切除術の良い適応である.腹腔鏡下広範囲肝切除術では十分な腹腔鏡下肝切除術の経験と術前の難易度評価などを考慮することが必要である.
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