特集 GERD 診療2018―現状と課題
巻頭言
木下 芳一
1
1島根大学内科学講座第二
pp.257-258
発行日 2018年2月20日
Published Date 2018/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000252
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おもに胃酸を含む胃内容物が食道内に逆流し長時間停滞するために,食道粘膜が刺激されて不快な症状が出現したり,食道粘膜に傷害が起こる胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease;GERD)は,人口の10~20%にみられる有病率の高い疾患であり,高齢者に多い疾患でもある.高齢者人口の増加とHelicobacterpylori 感染率の低下が進んでいくことが予想されるため,本疾患は今後も増加していくことが懸念される.GERD は患者のquality of life を低下させるとともにバレット腺癌のリスクとなるため,その治療が重要であると考えられ,さまざまな検討が行われてきた.現在は,プロトンポンプ阻害薬(PPI)を用いた治療が基本であり,難治例に対してはより強力なボノプラザンや手術治療も可能であり,診療のフローチャートも,消化器病学会が2015 年に改訂版を作成した「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2015」に記載されている.
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