特集 ピロリ菌陰性者にみられる胃疾患の診かた― 胃癌を中心に
10.遺伝性疾患に伴う胃癌
新村 和也
1
1浜松医科大学医学部腫瘍病理学講座
キーワード:
遺伝性びまん性胃癌
,
CDH1
,
E‒カドヘリン
,
印環細胞癌
Keyword:
遺伝性びまん性胃癌
,
CDH1
,
E‒カドヘリン
,
印環細胞癌
pp.1497-1502
発行日 2017年9月20日
Published Date 2017/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000130
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hereditary diffuse gastric cancer(HDGC,遺伝性びまん性胃癌)は,びまん型の胃癌(低分化癌/印環細胞癌)の発症を特徴とする遺伝性疾患であり,E‒カドヘリン蛋白質をコードするCDH1 がその主たる原因遺伝子として知られる.胃癌のほかには,乳腺小葉癌のリスクも高い.CDH1 遺伝子変異の型として近年,大型欠失も注目されている.日本人のCDH1 遺伝子変異によるHDGC 症例/若年発症胃癌症例もいくつか報告されている.原因遺伝子としてCDH1以外のもの(CTNNA1 など)も,近年同定されつつある.また,GAPPS という胃腺癌/近位胃ポリポーシスの遺伝性疾患も近年見つけられている.
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