連載 大腸ポリープに挑む
第7回 大腸ポリープに対する最適な治療法の選択
居軒 和也
1
,
藤原 敬久
1
,
牛腸 俊彦
1
,
紺田 健一
1
,
片桐 敦
1
,
吉田 仁
1
1昭和大学医学部内科学講座消化器内科学部門
キーワード:
大腸ポリープ
,
内視鏡的切除
,
ポリペクトミー
,
EMR
,
underwater EMR
Keyword:
大腸ポリープ
,
内視鏡的切除
,
ポリペクトミー
,
EMR
,
underwater EMR
pp.1751-1757
発行日 2022年11月20日
Published Date 2022/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002460
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大腸ポリープを適切に切除し,クリーンコロンとすることで,大腸内視鏡検査受検者の将来的な大腸癌罹患,死亡リスクは確実に低下する.一方で不完全な切除は遺残病変およびpost colonoscopy colorectal cancer (PCCRC)の原因の一つとされており病変に応じた適切な切除が求められる.大腸ポリープの内視鏡切除の適応は,サイズ,肉眼型,および内視鏡による質的診断(組織型)と深達度診断により決定される.「大腸ESD/EMRガイドライン(第2版)」では径6 mm以上の腺腫,径5 mm以下の表面陥凹型腫瘍で切除が推奨されている.また,「大腸ポリープ診療ガイドライン2020」では,径5 mm以下の微小腺腫に関しても,癌への進展予防を目的として内視鏡切除が弱く推奨されている.内視鏡切除法には,複数の選択肢があるが,難易度,治療成績(遺残再発リスク,合併症発生リスク),費用などの面で一長一短であり病変に応じた適切な選択が重要である.また大腸腫瘍に対する内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)が標準化され,ESD適応病変の攻略も重要であるが,日常診療ではESDの適応とならない大腸腫瘍を発見する頻度のほうが多く,消化器内視鏡医はESD以外のポリープ切除に精通する必要がある.
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