特集 最新動向透析患者の呼吸器感染症
8.誤嚥性肺炎に対する栄養リハビリテーション
前田 圭介
1
1愛知医科大学栄養治療支援センター
キーワード:
食べる支援
,
口腔ケア
,
悪液質
,
低栄養
,
サルコペニア
Keyword:
食べる支援
,
口腔ケア
,
悪液質
,
低栄養
,
サルコペニア
pp.1207-1211
発行日 2025年9月10日
Published Date 2025/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003570
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
誤嚥性肺炎は,口腔咽頭粘膜上細菌の気道侵入により発症する.嚥下機能障害のみならず,免疫力低下が主因である.悪液質,低栄養,サルコペニアは透析患者に高頻度に認められ,免疫力低下の指標として誤嚥性肺炎発症のリスクを指している.とくにサルコペニアの摂食嚥下障害は,発症リスク要因が重複する重大リスクである.また,入院時の「とりあえず禁食」は予後悪化の要因である.早期経口摂取支援と包括的栄養ケアが治療成績向上に不可欠であるとされる.栄養ケアには,食形態調整,medical nutrition therapy,口腔ケア,摂食嚥下リハビリテーション,せん妄対策,処方の適正化などが含まれ,これらを複合的に実施することが推奨される.

Copyright © 2025, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.