Japanese
English
特集 リハビリテーションにおける栄養管理
栄養管理・指導のポイント
points of nutritional management and education
鈴木 達郎
1
,
若林 秀隆
2
,
高畠 英昭
3
,
佐伯 覚
3
Tatsuro Suzuki
1
,
Hidetaka Wakabayashi
2
,
Hideaki Takahata
3
,
Satoru Saeki
3
1産業医科大学病院栄養部/患者サポートセンター入院支援室
2横浜市立大学附属市民総合医療センターリハビリテーション科
3産業医科大学リハビリテーション医学講座
1Department of Nutrition, Hospital of the University of Occupational and Environmental Health, Japan
キーワード:
低栄養
,
侵襲
,
悪液質
,
飢餓
,
栄養指導
Keyword:
低栄養
,
侵襲
,
悪液質
,
飢餓
,
栄養指導
pp.685-692
発行日 2016年8月10日
Published Date 2016/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200678
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はじめに
わが国では高齢化が進展しており,2014年の総人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)は26.0%であり上昇傾向を示している1).超高齢社会の栄養問題として,健康寿命の延伸,生活習慣病の予防,介護予防的視点から,過栄養だけでなく,低栄養の問題が注目されている.特に後期高齢者が要介護状態になる一因として「高齢による衰弱」があるが2),これは,フレイル(虚弱:フレイルティ)を含んでおり,栄養障害の問題だけでなく,身体機能とも関連する.また,身体機能障害のリスク因子である「サルコペニア」は高齢者の自立能力を奪い,日常生活の質を低下させる.サルコペニアは,加齢に伴って生じる「原発性(一次性)サルコペニア」,活動減少,栄養不良,疾患に影響を受ける「二次性サルコペニア」に分類されており3),疾病の治療に伴う廃用症候群とともに,患者の生活の質(quality of life:QOL)の阻害因子となる.適切な栄養管理とリハビリテーションはフレイルやサルコペニアを予防・治療するうえで必要不可欠である.医療の任務である国民の健康増進を推し進めるためにも,多職種が連携して急性期から維持期(在宅)にかけて,継続した治療やアプローチが重要となる.本稿では,栄養障害を来しているリハビリテーション対象患者の栄養管理と栄養指導について概説する.
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