特集 透析患者の心不全パンデミックに立ち向かう
10.大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)
竜﨑 俊亘
1
,
林田 健太郎
1
1慶應義塾大学医学部循環器内科
キーワード:
大動脈弁狭窄症
,
経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)
,
フレイル
Keyword:
大動脈弁狭窄症
,
経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)
,
フレイル
pp.523-529
発行日 2024年5月10日
Published Date 2024/5/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002981
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経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)治療の適応は透析患者も非透析患者と同様の基準で,おもに心臓エコー所見を基に判断される.同一基準で判断されるものの,透析患者は非透析患者と血行動態が異なる可能性があるため,一回心拍出量なども考慮して,適応を判断する必要がある.透析患者の平均余命は非透析患者の50%程度と報告され,外科的治療・TAVI治療の双方の治療で使用される生体弁の耐久性も非透析患者に比して短いことが想定されるため,患者の治療方法の選択については慎重に判断する必要がある.またTAVI術後の成績については非透析患者に比して,透析患者では生命予後が不良であると報告されている.TAVI術後の予後不良因子としてフレイルが指摘されており,透析患者は多種多様なフレイルを有することが多いとされるため,それぞれのフレイルに対して多職種で対応することが重要である.
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