特集 透析患者の泌尿器科疾患に対応する―泌尿器科専門医との連携
2.透析患者の泌尿器組織の透析後変化
内田 潤次
1
1大阪公立大学大学院医学研究科泌尿器病態学
キーワード:
透析療法
,
後天性囊胞性腎疾患
,
萎縮膀胱
Keyword:
透析療法
,
後天性囊胞性腎疾患
,
萎縮膀胱
pp.564-570
発行日 2025年6月10日
Published Date 2025/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003423
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透析療法を受ける末期腎不全患者において,泌尿器組織は顕著な病理学的および生理学的変化を示す.透析による腎血流低下,酸化ストレス,慢性炎症が進行し,尿細管萎縮(TA)や間質線維化(IF)が生じる.これらの変化は残存腎機能(RRF)の低下を促し,患者の生命予後や生活の質(QOL)に影響を及ぼす.また,透析患者では後天性囊胞性腎疾患(ACKD)が高頻度に認められ,腎細胞癌(RCC)発生リスクの上昇が示唆されている.加えて,萎縮膀胱などほかの泌尿器系組織の変化も認められる.前立腺癌についてもPSAを用いたスクリーニングの重要性が高まっている.

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