透析医療と合併症 キュア&ケアガイドブック
小児透析 CQ 62 小児の透析患者(とくに成長障害)への対応はどのように行いますか?
服部 元史
1
1東京女子医科大学腎臓小児科
キーワード:
小児
,
透析療法
,
成長障害
Keyword:
小児
,
透析療法
,
成長障害
pp.937-940
発行日 2018年6月20日
Published Date 2018/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000586
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Ⅰ医学的背景
成長障害は,小児透析患者に特有かつ重大な合併症である.
その病因・病態には,年齢,エネルギー摂取不良,たんぱく質過剰摂取,代謝性アシドーシス,骨・ミネラル代謝異常,腎性貧血,成長ホルモン異常など,多彩な要因が関与している.
成長障害の軽減には,きめ細やかで継続的な対応が必要不可欠である.
Ⅱキュア
上記要因のうち,薬剤や透析で治療可能な,代謝性アシドーシス,高リン血症,腎性貧血などに対して治療を行い,さらにリコンビナントヒト成長ホルモン(rhGH)治療を適正に行う.
Ⅲケア
成長曲線と成長率曲線を利用して,早期に診断する.
成長率が大きい乳幼児期および思春期の患者では,成長障害に対する特別な注意が必要である.
家族や本人の日々の負担は大きいことを念頭におき,息抜きができるような配慮が必要である.
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