特集 透析患者の泌尿器科疾患に対応する―泌尿器科専門医との連携
3.泌尿器科疾患による発熱―鑑別診断
齋藤 満
1
1秋田大学医学部附属病院血液浄化療法部
キーワード:
尿路感染症
,
尿路以外の泌尿器科感染症
,
感染症以外の有熱性泌尿器科疾患
Keyword:
尿路感染症
,
尿路以外の泌尿器科感染症
,
感染症以外の有熱性泌尿器科疾患
pp.571-576
発行日 2025年6月10日
Published Date 2025/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003424
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透析患者の発熱に遭遇した場合,熱源として頻度は高くないものの泌尿器科疾患による発熱の可能性も考慮しなければならない.泌尿器科疾患による発熱は,尿路感染症,尿路以外の泌尿器科感染症,感染症以外の有熱性泌尿器科疾患の3パターンに大別される.尿路感染症では腎盂腎炎・腎実質炎,多発性囊胞腎での囊胞感染など,尿路以外の泌尿器科感染症では前立腺や精巣上体・精巣の感染症,後腹膜膿瘍,会陰部のフルニエ壊疽(壊死性筋膜炎)など,感染症以外の有熱性泌尿器科疾患では泌尿器悪性腫瘍に伴う腫瘍熱や副腎不全に起因する発熱などが挙げられる.いずれの疾患・病態も診断に必要なポイントがあり,おさえておく必要がある.

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