特集 学びなおし腹膜透析
3.腹膜透析に関する検査とその評価
竜崎 崇和
1
1東京都済生会中央病院腎臓内科
キーワード:
腹膜平衡試験(PET)
,
残腎機能
,
腹膜透析排液中多核白血球数
,
中性腹膜透析液
,
被囊性腹膜硬化症(EPS)
Keyword:
腹膜平衡試験(PET)
,
残腎機能
,
腹膜透析排液中多核白血球数
,
中性腹膜透析液
,
被囊性腹膜硬化症(EPS)
pp.593-600
発行日 2024年6月10日
Published Date 2024/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003005
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腹膜透析関連腹膜炎を疑った場合は腹膜透析排液にて細胞数検査,グラム染色,培養検査をして腹膜炎と診断する.残腎機能は予後との関係が一貫して示唆されており定期的に測定し長く維持することが勧められる.現在は,中性腹膜透析液がおもに使用されており,長期間にわたり腹膜平衡試験(PET)で悪化がなく,被囊性腹膜硬化症(EPS)発症率も低下した.EPSの予測診断としてのPETの意義は現在は不明ではあるが,除水能や物質移動の目安として,1回/year以上の頻度で施行するべきである.Kt/V Ureaなどの透析効率や除水量などの数値目標に関しては重視されておらず,患者の生活の質を重んじて,一般検査や問診・診察から尿毒症症状の有無や,適正な体液状態に患者があるかどうかを見極めることが大事である.
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