特集1 血液浄化療法入門─原理と臨床の基礎を知る─
【血液浄化療法の臨床効果の特徴と治療指標】腹膜透析
中元 秀友
1
,
白崎 文隆
1
,
草野 武
1
,
小林 威仁
1
,
野口 哲
1
,
塚本 功
2
1埼玉医科大学総合診療内科
2埼玉医科大学国際医療センター血液浄化部
キーワード:
腹膜透析(PD)
,
満足度の高さ
,
QOL維持
,
持続療法
,
腹膜劣化
,
腹膜平衡試験(PET)
,
被嚢性腹膜硬化症(EPS)
Keyword:
腹膜透析(PD)
,
満足度の高さ
,
QOL維持
,
持続療法
,
腹膜劣化
,
腹膜平衡試験(PET)
,
被嚢性腹膜硬化症(EPS)
pp.416-429
発行日 2018年4月25日
Published Date 2018/4/25
DOI https://doi.org/10.15105/CE.0000000175
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腹膜透析(PD)の特徴は,生体膜である腹膜を透析膜として,腹腔内に透析液を注入して行う透析療法である.持続的に行う透析方法のため緩徐であり,そのため心血管系への負担が少なく,残存腎機能(RRF)の維持に優れている.また,食事制限が少なく通院回数が少ないことからQOL維持がよく,満足度が高い.そのため,高齢者にも適した在宅療法として推奨される.PDの尿毒素の除去は拡散によるものであり,限外濾過は浸透圧物質による水移動による.物質移動を規定する腹膜の状態を腹膜平衡試験(PET)で把握することは,PDの透析処方を決定するためにも重要である.また,RRFの低下により体液コントロールが不良となることもあり,透析処方の適切な変更が患者管理のポイントとなる.
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