Japanese
English
特集 エキスパートが教える 小児の薬物治療
Ⅲ.疾患別
C.循環器疾患
急性・慢性心不全
Acute and chronic heart failure
石田 秀和
1
Hidekazu Ishida
1
1大阪大学大学院医学系研究科小児科学
キーワード:
心不全
,
β遮断薬
,
ACE阻害薬
,
カテコラミン
,
強心薬
Keyword:
心不全
,
β遮断薬
,
ACE阻害薬
,
カテコラミン
,
強心薬
pp.408-413
発行日 2023年11月30日
Published Date 2023/11/30
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001259
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1 疾患概念
心不全とは,「なんらかの心臓機能障害,すなわち心臓に器質的および/あるいは機能的異常が生じて心ポンプ機能の代償機転が破綻した結果,呼吸困難・倦怠感や浮腫が出現し,それに伴い運動耐容能が低下する臨床症候群」と定義される1)。従来,「急速に」心臓のポンプ機能失調が進行して代償機構が破綻し,主要臓器の灌流障害が顕在化することで症状や徴候につながる病態の「急性心不全」と,比較的「慢性に」臓器灌流不全が進行し,それに伴う日常生活への支障が出現する病態の「慢性心不全」とを明確に分けて考えることも多かったが,現在では明らかな症状や徴候が出現する前から心不全に介入することが推奨されているため,「急性」と「慢性」の明確な線引きはその意義が乏しいと考えられている1)。2017年改訂の日本循環器学会「急性・慢性心不全診療ガイドライン」および「2021年フォーカスアップデート版」では,左室駆出率(left ventricle ejection fraction:LVEF)によって心不全を分類することが基本となっている1, 2)。
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