特集 心不全のすべて―増え続ける心不全患者にどう対峙するか
心不全の診断と治療
β遮断薬とivabradineの使い方
前嶋 康浩
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科循環制御内科学
キーワード:
β遮断薬
,
HFrEF
,
心拍コントロール
,
HCN4
,
ivabradine
Keyword:
β遮断薬
,
HFrEF
,
心拍コントロール
,
HCN4
,
ivabradine
pp.25-29
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_25
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Summary
▪HFrEFに対する標準治療薬であるβ遮断薬は忍容可能な最大量まで投与量を増量すべきである.
▪HFrEF患者の予後を改善させるためには心拍数の適正化が重要であるが,β遮断薬だけでは十分に達成できていないのが現状である.
▪選択的HCN4阻害薬であるivabradineは血圧や心機能に影響を及ぼすことなく心拍数を低下させることのできる薬剤である.
▪ivabradineはβ遮断薬を含む標準的心不全治療を受けているHFrEF患者のうち,洞調律かつ安静時心拍数が75回/分の患者の予後を改善させることができる.
▪ivabradineは心拍コントロールとは独立した機序で心保護効果を発揮している可能性があるが,今後の検討を待つ必要がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2021