高齢・超高齢透析患者の致死的感染症
腹膜透析(PD)関連 難治性腹膜炎
樋口 千恵子
1
1東京女子医科大学東医療センター 内科
キーワード:
質問紙法
,
抗細菌剤
,
腹膜炎
,
腹膜透析
Keyword:
Anti-Bacterial Agents
,
Peritoneal Dialysis
,
Peritonitis
,
Surveys and Questionnaires
pp.205-211
発行日 2016年2月10日
Published Date 2016/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2016206387
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高齢者は身体能力の低下,免疫能の低下,腸管憩室症の罹患率増加などから腹膜透析(PD)関連の腹膜炎を発症しやすいとの報告がある一方,若年者の発症率と差はないという報告もある.2013年の本邦の腹膜炎のアンケート調査では高齢者では若年者に比べStaphylococcus属が多く,バッグ交換汚染からの波及や内因性感染からの腹膜炎が多かった.また,出口・トンネル感染からの腹膜炎および以前の腹膜炎罹患回数が多い患者はPD離脱になりやすいという結果であったが,年齢は離脱になりやすい因子ではなかった.また経験的抗菌薬治療の投与法では腹腔内投与は死亡,PD離脱が少ないという結果であった.これらの結果より,高齢PD患者では難治性腹膜炎の予防にはバッグ交換手技教育の徹底,内因性感染のチェック,抗菌薬の腹腔内投与が望ましい.
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