透析患者の薬,どう使いわける?
抗凝固・抗血栓療法:冠動脈疾患
佐藤 亮太
1
,
前川 裕一郎
1
1浜松医科大学内科学第三講座
キーワード:
急性冠症候群
,
慢性冠症候群
,
P2Y12 受容体拮抗薬
Keyword:
急性冠症候群
,
慢性冠症候群
,
P2Y12 受容体拮抗薬
pp.553-558
発行日 2023年5月10日
Published Date 2023/5/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002557
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本邦では,2019 年時点で約 344,640 人の透析患者がおり(人口百万人当りの患者数は 2,732 人),主要死因のうち,心不全(22.7 %)が最も多いことが報告されている.非透析症例を含めて心不全の原因疾患として,冠動脈疾患が最も多いことが知られており,透析患者の生命予後を延伸させるためには冠動脈疾患に対する薬物療法,なかでも抗血栓療法につき十分理解しておく必要がある.本邦で施行されている経皮的冠動脈形成術(percutaneous coronary intervention;PCI)の約 6 %は透析患者であることが報告されているが,透析患者における PCI を含めた冠動脈血行再建術後の抗血栓療法のエビデンスは乏しい.本稿では,これらの状況を踏まえ,冠動脈疾患を有する透析患者に対する抗血栓療法,とくに冠動脈血行再建術後の抗血栓療法を中心に概説する.
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