特集 透析患者の心臓病のすべて―インターベンションを中心に
コラム:冠動脈石灰化結節
坂口 悠介
1
,
岡 樹史
1
,
猪阪 善隆
1
1大阪大学大学院医学系研究科腎臓内科学
キーワード:
冠動脈石灰化
,
石灰化結節
,
急性冠症候群
Keyword:
冠動脈石灰化
,
石灰化結節
,
急性冠症候群
pp.752-755
発行日 2025年7月10日
Published Date 2025/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003466
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冠動脈石灰化は慢性腎臓病(CKD)の早期から出現し,心血管イベントの強力な予測マーカーとなることが知られている.保存期CKD患者の前向きコホート研究であるCRIC(Chronic Renal Insufficiency Cohort)Studyでは,冠動脈石灰化スコアと心血管イベントリスクの間に用量依存的な関連が示されているだけでなく,動脈硬化性疾患リスク分類で低リスクと判定されても冠動脈石灰化スコアが100点以上であれば0点に比して心血管イベントリスクが3倍以上上昇していた.つまり,古典的リスク因子に乏しい症例であっても,中等度から高度の冠動脈石灰化が認められれば心血管イベントのハイリスクとみなす必要がある.

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